amesuki heim
 ●考察など●
このページはゲーム制作に関するあれやこれやの考えを書き留めて置くところです。
         ●敵ユニットのパターン●
 敵ユニットの行動方針には何パターンかがあります。この項ではそれを整理して書いて置きます。なお行動方針名は自分が勝手に呼んでいるものです。
 ・アクティブ(突撃型)…自軍ユニットに対して進行する。増援ユニットはほとんどの場合このパターン。

 ・パッシブ(待機型)……特定条件が満たされるまで待機し続け、条件が満たされるとアクティブになる。このアクティブになる条件はほとんどの場合”攻撃範囲に敵ユニットが侵入したとき”です。稀に”二回最大移動したときの攻撃範囲に敵ユニットが侵入したとき”というものもあります。この2パターンは便宜上反応型と私は読んでいます。その他、”特定領域に敵が侵入”、”設定ターン数が経過”、”一度でも戦闘を行う”、”リーダーユニットかグループユニットがアクティブになる”などがあります。また、ボスユニットなどアクティブにならないユニットも存在します。
 ・特殊行動型…特定の地点・ユニットに向かうパターンです。村に向かう山賊、宝箱を狙う盗賊などが該当します。
 基本的には上記3パターンのいずれかでしょう。他にはユニットの攻撃範囲内に入らないよう移動するものもありますね。
          ●敵ユニットの配置●
 SRPGの制作で難しいことの一つは敵ユニットの配置ではないでしょうか。私はよくどういったふうに敵を配置するか、悩みながらステージを制作しています。本項では私が敵ユニとの配置をどのようにしているかを書きとどめておきます。
 1、ステージコンセプトに沿ったメインユニットを配置する…ステージを作成するとき、何かしらそのステージの構成が頭に思い浮かぶのではないでしょうか。例えば森の多いマップにしようとか、川を挟んで大きく二分できるマップにしようとか、そういうものです。最初はそれらに沿ったユニット、いわばそのステージの要となる敵ユニットを配置します。ひとまず例として、ドラゴンナイトの一団が登場する市街地マップというものを想定しましょう。この想定で登場するドラゴンナイトはFEに準拠して、魔防以外の能力が高いということにします。また使用武器は斧、特効は雷と風魔法ということにし、行動パターンはパッシブです。
 2、メインユニットと相性の良いユニットを配置する…例に出したドラゴンナイトの場合で考えてみましょう。自分がドラゴンナイトの一団を相手にする場合、まずはドラゴンナイトをおびき出そうとするでしょう。このとき、守備の高いアーマーナイトか、斧と相性の良い剣士系ユニットを囮にすると思います。
ということで、ここでドラゴンナイトと相性の良いユニットというのは、それら使われるだろうと想定されるユニットに対応できるユニットになります。アーマーナイトには戦士系か重装特効を持ったユニット、剣士系には騎兵かアーマーナイトと言ったところでしょうか。
こういったユニットをドラゴンナイトと同じ攻撃範囲内に置くことで、マップを戦略的にデザインし、難易度を上げることができます。ここで注意するべきことは、あまりにも対策されすぎていると攻略していて面白くなくなるということでしょう。わざと隙を作るのが敵配置のコツです。上記の例ならばアーマーナイトか剣士系、どちらかにしか対応していない配置にするといいでしょう。
 3、撃破したくなる敵を配置する…この想定では市街戦です。ということは貴重なアイテムを入手できる訪問ポイントを用意することでしょう。そこでその訪問ポイントを潰すユニットを配置します。プレイヤーがギリギリ間に合うか間に合わないかのターンに訪問ポイントを潰すよう、配置には気を付けなければなりません。この訪問ポイントを潰すユニットが登場することで、訪問したいプレイヤーは早く進軍したくなるかと思います。この時限的要素は、効果的に用いることができればマップの難易度、戦略性を高めてくれます。
時限的な要素は拠点を破壊するユニットの進軍以外にも、放っておくとやられてしまう同盟ユニット、貴重なアイテムを持って逃走するユニットなど色々考えられます。
 4、パターンに沿った敵を配置する…何かとお決まりな感じの定型的配置パターンというものはいくつかあります。いくつか挙げるとするならば以下のようなものでしょう。
・狭路を塞ぐアーマーナイトと、その後方にアーチャー
・遮蔽物を挟んだ反対側に配置された遠距離攻撃ユニット
・アクティブな近接武器ユニットと遠近両用武器ユニットの組み合わせ
 5、パッシブユニットを配置する…戦いの場としたい場所が攻撃範囲に入るよう、パッシブユニットをグループを組ませて配置します。例えば訪問ポイントの1つを戦闘が起こる地点にしたい場合、1つのパッシブグループの攻撃範囲にその地点を入れておきます。このタイプの配置で気を付けることは、複数のユニットの攻撃範囲を被らせておくことです。1体ずつ誘き寄せて倒すのでは味気なくて面白くありませんからね。もちろん、グループ内全てのユニットの攻撃範囲を完全に被らせておく必要はありません。数人は単体で誘き寄せて倒せるぐらいの方がプレイしていて面白いでしょう。
またパッシブグループの配置間隔は、基本的にはおおよそ6~7マスがいいでしょう。これはユニットの移動距離に依っています。1ターン進めるごとに何らかのパッシブグループと交戦するような配置間隔ですね。当然ですが、6~7マス間隔全てにパッシブグループを置くと1ターン進軍するごとに気疲れしますから、そこは適度に配置します。
 6、アクティブユニットを配置する…アクティブユニットはいくつかのグループ(塊り)にわけ、それぞれ複数のユニットで構成します。例えば戦士2人とアーチャー1人などですね。またグループはパッシブグループと同様、6~7マス間隔で配置します。1つのアクティブグループをプレイヤーが処理し終わりそうなタイミングで、別のアクティブグループがプレイヤーの元に到着するように配置間隔を調整します。それにはこのアクティブグループは〇ターン目にプレイヤーと交戦する、というような考えがあるといいでしょう。なお一つのアクティブグループが全滅するのは(数にもよりますが)大体1~2ターンぐらいかと思います。
     ●歩兵ユニットと騎乗ユニットのバランス●
 同じ剣を得意とする兵科でも、歩兵ユニットと騎乗ユニットでは当然騎乗ユニットの方が扱いやすいでしょう。というのは移動力に大きな関係があります。確かに騎乗ユニットは特効を受けますし、森などでは歩兵ユニットよりも移動力は落ちてしまいます。それでも歩兵ユニットよりも2マス多く移動できるのは大きなアドバンテージです。
 この騎乗ユニットの優位性に、歩兵ユニットを追いつかせるため、本作では歩兵ユニットしか扱うことのできない武器種を作成してみました(唯一傭兵にだけは用意されていませんが…)。
 刀は剣士系ユニットだけが装備できる、剣に分類される武器です。威力は剣よりも劣るため、剣士では火力がでません。しかしそれに代わり、武器に10の必殺率が設定してあります。また命中もわずかに剣より高いです。
 斧槍はソルジャー、ランサー、アーマーナイト系ユニットだけが装備できます。槍ユニットはどうしても斧ユニットに弱くなってしまい、斧ユニットに対し槍ユニットを非常に当て辛いです。それは斧ユニットが大きく輝くことのできる場面ですが、壁役には壁役をしてもらいたいという思いから、斧槍は三すくみが反転する武器にしました。また壁役としての性能を底上げするため、装備時には守備が+2されます。威力もワンランク高いですが、その大きな性能の代償として命中と重さは扱い辛くしてあります。2回攻撃を受けなかったユニットが、斧槍を装備すると2回攻撃を受けてしまう、という場面もこの先多く出てくるかもしれません。
 メイスは戦士系、蛮族系ユニットだけが装備できます。相手の守備を無視するという特徴を持ったとんでも性能ですが、武器の威力は高くなく、使用者の力が重要となります。また元々守備の低いユニットにはあまり効果的とは言えないでしょう。これは厚い鎧を着た敵を撃破するために打撃武器が重用された、という戦史に基づいています。同時に、メイスは命中率が高いので、斧ユニットの弱点の一つである技の低さをあるていど補ってくれます。
 長弓とボウガンはアーチャー系ユニットだけが装備できます。手槍、手斧、魔導書など、間接攻撃ができる武器は少なくなく、本来アーチャーの特徴であった「間接攻撃ができる」というアイデンティティーは薄まっています。そこで元来の特徴を取り戻すため、3マス先まで攻撃可能な長弓を投入しました。もちろん命中は高くありませんが…。さらに他のユニットと性能差を縮めるため、近接攻撃可能なボウガンを導入しています。これらはファイアーエムブレム暁の女神に影響されたものです。
 独自の試みとして、神官系ユニットだけが使用可能な無属性魔法を登場させました。このアイディアは暁の女神で、非戦闘員も攻撃することができた護符、そして敵に攻撃されたときにだけ使用可能な武器としての杖から来ています。戦闘できなかった神官が魔法を使えるようになると、杖を使うことのできない魔道士系ユニットは立場がなくなってしまいます。そのバランスを壊さないため、無属性魔法の耐久度は極端に少なくし、威力も極力低い数値にしています。
 以上のオリジナル要素はまだ試用段階で、ファイアーエムブレムのようなゲーム性を維持できているか、それとも崩壊させているか、まだ判別を付けていません。タシュケアの詩では少ししか登場せず、プレイヤーはほぼ扱うことができませんが、次作ではもう少し解禁される予定です。
       ●ファイアーエムブレムの魔法体系●
 ファイアーエムブレムシリーズ(以下FE)は武器の系統がよく整理されており、覚えやすく、かつわかりやすく体系付けられています。鉄→鋼→銀→伝説級という基本的なランクの序列があり、必殺の出やすいものはキラー~、二回攻撃できるものは勇者の~、といった具合です。これはブロードソードといったようなものでなく、日本語を多く使用しているというのも要因でしょう。
 しかし一方で魔法の体系、特に闇魔法については一貫性に欠けています。魔法の基本的なランク分けは、基本となる魔法があってその次段階がエル~となっています。聖戦の系譜以降、ここまでは一貫していますが、それより上のランクはバラバラです。GBAシリーズでは、炎・雷・風魔法が理魔法に集約されたこともあって、最も名前的にはバラバラな体系を築いていました。ファイアー→サンダー→エルファイアー→フィンブル→エクスカリバーといった具合です。また光魔法と闇魔法が一新して登場しましたが、そちらはさらにわかり辛いものです。光魔法はライトニング→シャイン→ディヴァイン→アルジローレとランクが上がっていきます。
 これらはまだ武器能力も単純に上がるだけのため、まだわかりやすいですが、以前までのものと全く異なるのが闇魔法でした。ミィル→ルナ→リザイア→ノスフェラートとランクが上がっていくのですが、闇魔法は特別な効果を持ったものが多く、必ずしもランク通りの強さとは限りません。ルナは相手の魔防を無視する上に高い必殺率を持ち、リザイアは与えたダメージ分HPを回復します。当時はどんな伝説の魔法よりもルナが最強だとよく思ったものです。
 さてGBA三作での経験を経て、次のテリウス大陸を舞台とする作品では魔法がわかりやすく体系付けられました。一例をあげると、ファイアー→エルファイアー→ギガファイアー→ボルガノン→レクスフレイムといった具合です。無冠→エル→ギガ→固有→レクスという接頭辞のランク付けがなされ、どの魔法がどういう順で強いのかわかりやすくなりました。暁の女神では光魔法もこれに倣っており、ライト→エルライト→リザイア→シャイン→レクスオーラとなっています。
 ただし闇魔法はこの限りでなく、しかも名前まで一新されてしまいました。ウォーム→カレアウ→ウェリネ→バルベリトです。ウォームはアカネイアシリーズで登場した遠距離攻撃魔法でしたが、暁の女神では鋼ポジションに相当する通常射程の魔法になりました。後に続く3つの闇魔法はそれぞれ悪魔がモデルですが、これがわかり辛い。この辺りでわかりやすい体系付けがなされていれば良かったのですが…。
 新暗黒竜、新紋章の発売を経て、久しぶりに完全新作である覚醒が登場しました。暁の女神のように分かりやすい理魔法の体系が引き継がれた一方で、闇魔法はまたまさかの一新とやらかしています(良い悪いという意味ではありません)。ミィル→リザイアと進み、ここまでは以前と同じだったのですが、その後ルイン→イル→ゲーティアと続きます。ルインは非常に必殺率の高い闇魔法です。確かに必殺率こそありませんが、これはルナという名前ではいけなかったのでしょうか。またゲーティアは最上級の闇魔法ですが、烈火の剣で登場した、伝説の武器ではない最上級の闇魔法ゲスペンストと同名ではいけなかったのでしょうか。
 他の魔法は同じ名前が採用されたり、以前の作品から再登場したりしたものですが、闇魔法だけはその種類が増え続けます。最新作のifはGBA時代の理魔法と同様の、名前ではランクの分かりにくい体系に戻り、さらにそこに闇魔法も加わったことで混沌としています。

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